幸せのカタチ~赤い宝物~


「はぁっ…友來…はぁやぃ…。」



引かれて走ってるのに私の息は、少しで途切れ途切れになる。



「何言ってんの?
間に合わなかったらイヤだし?
イィとこ座りたいしっ!」



友來は平然とした顔で、走りながら私に喝を入れる。



ひぃぃぃ~ムリッ~



友來は小学生の時から、毎年紅白リレーの選手。

マラソンも3位以内には入ってたし。



さすがだよ。



でもこのペース

私にはムリ~(泣)



半泣き状態のまま競技場に入り、空いてるイスを探す。


ピッチから見えずらい後ろの方の席に、友來と座った。


急に全速力で走ったもんだから、私はゼエゼエいってる。

喉の奥も、マラソンを走った後みたいに変な感じだし…。

息が落着いてきて喉が乾いたから、持ってたペットボトルのお茶を飲もうと鞄から取り出す。



あぁ………アワアワ……(泣)



見事にお茶シェイクになってるし。


なんだかとっても残念系…。



隣りの友來は平然として、鏡を覗き込み

走って乱れた髪を直してる。


友來はすげぇ余裕…
体力、どんだけあんのよ?




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