幸せのカタチ~赤い宝物~


―数日後

部活終り。



「相田さん、部室内はお家じゃないからねっ。」



笑顔で私に言って部室を後にした、せりな先輩。
目が笑ってないんですけど…。


せりな先輩のこのセリフのお陰で、この前溝口先輩に告られた時の出来事が漏れている事に気がついた。



誰よ?

間違っても友來じゃない…。
すると溝口先輩?



…言いそう。

俺あいつ抱き締めたとか言ってそう!


最悪!最悪!!
ホントあの男最悪~!!!


怒りMAXな所に、そいつが部室に入って来た。



「愛果一緒に帰ろう!」



そう言って手を私の目の前にさしだす。



何なのよ?
この手は??

つーか、何で呼び捨て?


有り得ないっ!
信じられないこの男っ!



言い振らしてよくもこんな事出来たもんだ。



怒りのボルテージが吹っ切れた私は、キレた。


…軽く(?)ね。



「先輩ですよね?
この前の事誰かに言ったのって?」



突然の私の剣幕に驚いている溝口先輩。



「…俺?
誰にも言ってないよ。
つーか、言ったらもったえねぇ。」



キョトンとして言う溝口先輩の言葉に、今度は私がキョトンとする番だった。




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