幸せのカタチ~赤い宝物~


最初の10分はお互いに探り合うように、でもチャンスを見つけては攻めて。


決勝まで残っただけあって、両チームともパスワークが綺麗。


たまに攻め込まれるシュートを彰は、しっかりセーブしていく。


時間が経つにつれて、だんだんと白熱していく。


去年から引き続きエースでキャプテンの藤川先輩も、集ってくるボールを鮮やかに操ってゴールまでボールを運ぶ。

けど相手のキーパーに阻まれる。




試合は0-0のまま


前半戦を終えた。



ベンチに戻ってくる選手達。


みんな汗を拭ったり、水分を取りながらコーチの前に集まり後半に備える。



応援で盛り上がっていた、観客席も少し静かになった。



「サッカーはずっと走りっ放しで、凄いよね。」



友來が言う。


ホントそれは、私もそう思う。


練習も体力作りがキツくて大変そうだった。


でも、みんな試合に勝つ為に毎日練習を頑張ってたんだ。

今日の試合に勝つ為に。



だから頑張って、彰…



ベンチの横で身体が冷えない様に、軽く動いてる彰に願いを込める。




< 111 / 151 >

この作品をシェア

pagetop