幸せのカタチ~赤い宝物~
「にやけてるぅ~!」
―ハッ…しまった。
彰の笑顔があまりにも嬉しそうだったから、吊られて笑顔に…
そんな私を覗き込んで、ニヤニヤしてる友來。
「しっしてないっ!
てゆぅか!
かっ帰ろう!」
友來の手を掴んで、客席の階段をズカズカ降りて足早に競技場を後にする私。
「もぅ~バレたんだから、慌てて帰る事無くない?」
「バレたから、余計に早く帰るのっ!」
「何でよ?
もぅさぁ、会ってけばいぃじゃん~。」
「ムリムリッ!
絶対ムリ~!!」
友來を引きずる勢いで、私は駅までノンストップで歩く。
一本前が出たばかりで、次の電車が来るまで10分弱…
私は落着かなくてホームをウロウロしてると、改札口から降りてくるエスカレーターに見覚えのある人。
杉原だ…
私が突然止ったから友來も、私の視線の先を追って杉原を見つけた。
「何あいつ?
見に来てたの?
マジうざい。」
友來は小さくそう言って、杉原をガン見してる。
杉原も私達に気がついて、上から見下ろしてる。
その顔が、また
ホントムカつく表情…
ケンカ売ってるとしか思えないよ。