幸せのカタチ~赤い宝物~
じゃあ、誰が言ったの?
溝口先輩が言ってないとしたら。
誰かに…
見られてた?
「愛果~終わったぁ?
って、アレ?
私おじゃま???」
私を迎えに来た友來が、私と溝口先輩が向かい合って立っている状態を見てスットンキョンな声を出した。
「じゃまじゃナイ!!!」
私は来た道を戻ろうとしている友來を必死に呼び止めた。
「ねぇ先週の金曜ココに来た時、誰か他に居た?」
「えっ何かあったの?
誰かって…ココに居たか分からないけど、女の子とすれ違ったよ。
ホラ、3年のマネさんっ。」
…せりな先輩?
よりによってせりな先輩に見られてた。
でも、ちょっと良かった。
変な噂とかで、耳に入ったんじゃなくて。
だってアレは一方的に抱き締められただけだし。
私が悪い訳じゃない。
悪いのは、そうこの男。
「参ったなぁ、林先輩に見られてたのかぁ。」
何て1人で納得してる。
あんたのせいで、私は嫌味言われるのよっ。
そう言ってやろうと思ったのに。
「イヤな思いさせてゴメンな。」
申し訳無さそうに言うから、言えなくなった。