幸せのカタチ~赤い宝物~
昼休みなんだか1人になりたくて
あまり人が通らない、外が見える階段に座って外を眺めていた。
ひんやりとして静かな空間
頭を空っぽにして
ただただ、ぼぉ~っとする。
窓から見える空は薄い水色
でも とても深くて、じぃ~っと見ているとその先が見えそう。
タン…タン…
空の先に見入り過ぎて、近付いて来る足音に気付かなかった。
後ろから急に体を包む温もりに、驚いてハッとする。
この腕の強さ
背中から伝わる少し早い鼓動
この腕の中の温かさ
振り向かなくても、誰だか判る…
「彰…。」
私が前を見たまま、後ろから私を抱き締めたままの彰の名前を呼ぶと
無言のまま、私を抱き締めた腕に力が入った。
その感覚に胸がキュゥっとなる。