幸せのカタチ~赤い宝物~
制服のスカートのポッケの中の硬い感触が手にあたる。
ケータイ…
ケータイ……?
ポケットからケータイを取り出す。
もぅ彰と青野さんの唇はくっつきそうなポディション…
私はもぅどうしたら良いか分からなくて
パニック…
急いでカメラを立ち上げた。
唇と唇が付く瞬間
私はシャッターを下ろした。
カシャ
静か階段に響くシャッター音
彰はびっくりした顔で
青野さんは目に涙を溜めて
2人同士に私を見た。
「愛果こんなんでいいのか?
ちゃんと撮ったか?
何ならもぅ一回してやるぜ?」
彰はびっくりしながらも、私にそう言う。
私はケータイの画像を確認して保存をした。
緊張で手が震える。
息をふぅとゆっくり吐き出して
「もぅいぃわ。
十分よ。
じゃあね、青野さん…。
あ、人にバラすと写真ばらまくから。」
「ご馳走さん…
真瑠ちゃん。」
私がそう言ってその場を離れようとすると、彰も青野さんを残してその場を離れた。
後ろからペタンと階段に座り込む音が聞えた。