幸せのカタチ~赤い宝物~
VSホントの気持ち
足がガタガタ震えてる。
教室に戻って鞄を掴んで帰ろうとするけど、足が動かない。
「何で写真なんか撮ったんだよ?」
低くて重い彰の声
…怒ってる
うん、当然だよ…ね…
やりきれない苛立ちの浮かぶ表情で、彰は私を見てる。
「ごめ…ん…もし、ばらされたら大変だと…思って…。」
ホントに彰にこんな事させて何になるんだろう?
彰がどれだけ自分を想ってくれてるのか、ホントはこんな事しなくても分かってたのに。
自分のアホさ加減に虚しくなる程バカなのに
俯く私を、彰は黙って見てる。
そして一呼吸置いた彰はゆっくりと私に問い掛ける。
「コレが愛果の信じる為のやり方か?
ホントにコレで信じられたか?」
私の目の前に居る彰を、やっとの想いで見上げる。
瞳の奥からも、私に質問を投げ掛けてくる。
私は首を横に降りながら答えた。
「違った。
欲しかったのは、こんなんじゃなぃ…。
こんな事じゃ無いのに…
彰…ゴメン…。」
彰が立ち尽くして居る私を抱き締めた。
「うん…。」
そう頷いた。