幸せのカタチ~赤い宝物~


私は階段まで戻った。


でも青野さんの姿はもうなかった。



帰り道、彰は家まで送ってくれた。

別れ際、今の気持ちを彰に告げる。



「彰…私、彰の事ホントは大好き。
だけど今の私は彰と居られない。
ごめんね…。」


「うん、でも…
俺は何があっても、愛果を想う気持ちは変らないから。
今は少し時間をおいた方がいいなら、それでいい。
それで愛果がいつかまた、俺と向き合ってくれるのを待ってる。」



彰はそう言って帰って行った。


分かってるよ。


痛い程分かったから。


彰の気持ち。



でも私は青野さんに酷い事した。

そんな私が、幸せな想いをするなんてありえない。



彰はそんな私の気持ちも分かってて、そう言ってくれたんだよね?



ゴメンね。

彰…。



彰に恥ずかしく無い自分になるまで待ってて



待っててくれたら



今度こそ本当に



彰に全部ゆだねるから



私の気持ちも全部を…



彰に




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