幸せのカタチ~赤い宝物~
あれから、日にちはどんどん過ぎる。
青野さんは私を避けて、私は謝る事が出来ないまま…
彰とも距離をおいてる。
青野さんが伊原君と"抱き合ってた噂"はどんどん広がって、青野さんは孤立していく。
『俺のせいで』
って伊原君が心配してる…。
元々あまり存在感がなかった青野さんは、一層存在感を消して誰とも喋らなくなってたから
それを見た伊原君は心配で仕方がないんだ。
誰とも喋らない青野さん
自分が原因だと責任を感じる伊原君
私なのに
青野さんの心を曇らせたのは
私なのに
青野さんを救えるのは伊原くんなのに
そんな思いが膨らんで行く。
黙ってられなかった。
私は、伊原君に正直に話した。
私が青野さんにした事。
伊原君に青野さんを支えてあげて欲しかったから。
放課後、誰も居なくなった教室で…
私は伊原君の瞳をしっかりみて、話す。
最初は黙って頷いてた伊原君も、私の話を聞くうちに顔が険しくなる。
何でそんな事をしたのか…
いきさつとその時の私の気持ちを
あと
悪いと思ってる気持ちを伊原君に伝えた。