幸せのカタチ~赤い宝物~
「彰…!!」
私の前まで来た彰を呼止める。
「おぅ!」
嬉しそうに私を見つめる彰。
「卒業おめでとぅ。」
「うん。」
「えっと…ボタン売り切れてるね。」
「うん。
ゴメン、気がついた時にはもう無かった…。」
久しぶりにちゃんと話す彰は、申し訳なさそうに笑う。
彰の制服のボタンはイッコも無かった。
「私は…私はボタンいらない。」
「え…?
そう言われると、微妙にヘコむんだけど?」
ショックを受けてる彰の手を握って彰を真直ぐに見る。
不思議そうにしてる彰に私は想いを告げる。
生まれて初めて
好きな人に心からの想いを
素直な気持ちを伝える。
言おうとするけど、心臓がドキドキし過ぎて喉から声が出て来なくて
余計に言うのが恥ずかしい。
今きっと、ありえない程顔が赤いと思う。
今さら…
しかも好きって言うの、初めてじゃないのに
何でこんなにドキドキするんだろう?