幸せのカタチ~赤い宝物~
時間が経つのはあっという間
テンション上がりっぱなしの彰が卒業した日から、一年。
私の卒業式がやって来た。
去年と同じ様に、青い空と春風の香りに、綺麗な桜。
最後の一年は、忙しくて驚く程あっという間に毎日が過ぎた。
彰は休日の部活の後とか、私に会いに帰って来てくれたり
一年生だけど、試合に出るって聞いて試合を見に行ったり
でも、私は卒業するまでにやり残した事があったから彰との関係は保留のまま。
その状態は、彰に悪いと思ってるけど。
まだ青野さんにちゃんと謝って無かったから。
タイミングを逃して、クラスも変って関わり合う事もなくて言えないままだった。
謝るって決めてたのに。
だから前に進めてない。
彰に対しても
私自身も
きっと、青野さんも…。
―ゴクッ
覚悟を決めて、昇降口で青野さんを呼止める。