幸せのカタチ~赤い宝物~
「ねぇ、彰?」
「ん?」
私は彰と並んで歩きながら、彰が足首に目がついた。
私がいつか彰の部屋に置き去りにしたプレゼントのアンクレット。
着けてくれてたんだ…。
今日は7分丈のパンツの彰。
いつも長いのか、練習着だから気付かなかった。
ふと思い出した事を聞く。
「ねぇ付き合って最初のイヴ、何で追いかけてきてくれなかったの?」
「え?
あ、あぁ…。
追いかけたよ?」
へ?
追いかけた?
何で?
「お前…伊原と楽しそうに歩いてたから
追いかけられなかった…。」
俯き、そう言う彰。
「……。」
「それでもあの時、追いかければ良かったって後悔したよ。
そしたら、こんなに回り道しないで良かったのにな。
ゴメンな、ふぬけで。」
絶句してる私に彰は笑いかける。
「悪いのは、私だよ。
ちゃんとに信じられなかった。」
「そうだねぇ。」
「ひどっ!
そんな事ないよとか言ってよ?」
「だってホントだし?」
「もぅっ!バカバカバカ!!!」
「「……ふふっ…。」」
私と彰はお互いを見て、思わず噴出す。