幸せのカタチ~赤い宝物~
私達は2人、屋上で並んで座って虹を眺めてた。
暫くして先輩が口を開いた。
「愛果?
来週総体なんだ。」
「うん知ってる。」
「来辛いの分かってるけど、見に来れないか?」
「ムリ。」
私は即答で答える。
ムリに決まってるよ。
のこのこ行けるか。
私は床に目を落とす。
「ゴメンな。」
突然先輩が謝るから、驚いて先輩を見た。
「何が?」
「俺があんな事したから居づらくなったんだろ?
ホントごめんな。
でも俺、愛果にみてほしいんだ。
愛果が見てくれてるだけで、200%頑張れるんだよ。
…どうしてもダメか?」
「…うん。
ゴメン…ムリ…。
ってゆうか止めたの、先輩のせいじゃ無いですから。
私が遊びたくて、人の世話するのダルいから止めたの。
だから関係ないですから。」
私が立ち上がってそう言うと、先輩は小さな声で
「そっか…。
分かった…けど、気が変ったら見に来てくれよ?」
爽やかにほほ笑みながらそう言った。
…だから
濃いくせにそんな顔しないでよ。
また胸が…
平静を保ちながら、私は先輩を残して屋上を後にした。