幸せのカタチ~赤い宝物~
「ともかく、なんでそこまでイヤなのよ?」
「…信用…出来ないから?」
私はちゃんと真剣に思った事を言った。
「いきなり信用出来る男なんていなくね?
まぁ、男に限らずだけど。
愛果ちゃんと溝口先輩の中身見たの?
見てないでソレは失礼だよ。」
「……。」
あっさり正論で返された。
でもね、友來
正論だけじゃダメなんだよ。
時間をかけて信じあっても、人の心なんてすぐ流れるんだよ。
水の流れみたいに。
スピードが早いか遅いかソレだけ。
同じ場所にあるのは、ほんの少しの間だけ。
男と女なんてそんなモンだよ。
「まぁ良いやっ!
今日は買い物にきたんだからっ!
上戻ろっ♪」
「…うんっ!」
私の気持ちを察したのか、友來は立ち上がって元気に言った。
私も後を追ってエスカレーターに乗り、2人の好きなブランドのある階に戻っる。
ストレスを発散するかの様に、溜込んでいたお小遣いを殆ど服や小物に注込んだ。