幸せのカタチ~赤い宝物~


「帰ろっか?」


「えっ…愛果、先輩の所行ってあげないの?」



友來が驚いて私に言う。



「いかないよぉ。
ほらっ帰ろ帰ろっ!」


「え~愛果オニ~。
ありえなぃ~。」



歩き始めた私の後を友來はブツプツ言いながら追いかけて来た。



だってさ


今先輩の所行ったら


私ダメそう。


あのゴールセーブに感動しちゃったから


今先輩の顔見たら


好きになっちゃいそう


だから…帰る…。



「なかっ…愛果っ!」



後ろから息の切れた声で私を呼ぶ声が聞えた。



「先輩…。」



次の瞬間…



ぎゅぅぅっと先輩が私を抱き締めた。



「セッセンパイ!!???」



ちょっちょっちょっと待って
何 何 何?????

何で私、抱き締められてんの?


隣りで友來もデッカイ目を更にまんまるにして、私と先輩を見てる。



「はっ放してっ!」



こんなみんなの見てる前で、何してんのよ!?


ありえなぃ~!!!


超恥ずかしいからっ!


溝口先輩の腕の中で、ジタバタ暴れる私。

でも先輩の腕に強く抱かれていて、ジタバタさえ出来てない。


放せ~!!!!!


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