幸せのカタチ~赤い宝物~
「愛果、来てくれてありがとうっ…。
俺、超嬉しい…。」
ゔっ…
私を抱き締めたまま、耳元で先輩が言う。
超嬉しい…って
あんまりホントに嬉しそうに言うから、ちょっぴりカワイイとか思っちゃうじゃん。
「さっき止められたの、愛果のオカゲだよ。
ありがとう…。」
先輩はそう言うと腕の力を少し抜いて、私の顔を覗き込んだ。
ドアップの先輩の顔
先輩の瞳ってこんなに優しかったっけ?
「愛果?
俺…愛果が大好きだ。
俺の彼女になって?」
………………ハイ?
彼女?
私が溝口先輩の彼女?
この濃い顔の人が私の彼氏?
一瞬、2人が手を繋いでラブラブで歩いている所を想像してみる………。
…………………… …… …
有り得んっ!
ムリムリムリムリムリ!!!
「ムッ…」
「きゃあ!ステキ~☆
愛果、おめでとぅ~♪♪♪」
断ろうとした瞬間
私の断りを遮って
一瞬横にいるのをうっかり忘れかけてた友來が、私達に拍手をしながら言った。
ナニィ―――――――!??