幸せのカタチ~赤い宝物~


そして日陰…。


顔を上げると白い歯を覗かせてニッコリ笑う


溝口先輩…。



「重いだろ?
俺持ってくよ。」


「…あ、ありがとうございます。
でも私の仕事なんで…。」



私は若干ひきつりながら言う。
でも溝口先輩は、気にも止めずに変らない笑顔で



「じゃあ一緒に持ってく~。」



そう言って、殆ど先輩が持った状態でベンチまで持って行った。



「ありがとうございます。」


私はちょっと不機嫌そうに言う。

だけど先輩は、相変らずの笑顔のまま。



「いぃえ。
またいつでも手伝うよっ。」

「はぁ…。」



先輩はグランドの部員の輪に戻って行った。


またいつでもって。

確かにボトルは重いけど、持ってくれるのは有り難いけど!

正直迷惑だ。



私の仕事だし。



他の人(例えば3年のマネ)が見て何て思うか。



ちょっとは考えろよ。



空気読めよ



KY男っ!!




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