幸せのカタチ~赤い宝物~
帰り道。
今日はもう練習を見る気にならなくて、友來と私は殆ど無言のまま歩いて帰る。
「やっぱり先輩、して無いと思うょ。"間"的に…。」
「うん…。」
「心配なら、ちゃんと聞いてみたら?」
「…でも、あそこから練習見てるの言ってないし……。」
「…私はともかく、愛果は彼女なんだから見ていぃじゃん?
何も後ろめたい事無いんだから、1人で考えるなら言った方がいぃと思うよ?」
「うん…。
分かった。
ありがとね、友來。」
「じゃあね、また明日。」
「またね…。」
友來は手を振りながら、横断歩道を渡り住宅街に入って行く。
私の家は少し先。
友來にバイバイした手を下ろし、歩き出す。
家の近くのブランコとベンチしか無い、小さな公園の横を通った時人影が視界に入った。
ドクン…っと脈を打つ心臓の音。
多分…いや、100%さっき彰に告ってた女子がベンチに座っていた。
長いストレートの黒髪を高い位置でポニーテールにした顔立ちハッキリな女の子。
ギャルとは違って、ちょっとB系なイメージ。
思わず立ち止まって居ると、向こうも私に気がつき立上がり私の方に歩いてきた。