幸せのカタチ~赤い宝物~
「忘れ物取りに行くって、途中で抜けて来た♪」
そう言って、アハっと彰は笑った。
忘れ物…って…
私!?????
「別に愛果が忘れ物な訳じゃあねぇよ…。
抜ける言い訳たから。
どうしても朝一で愛果に会っておきたくて。
昨日も電話切って、その後でねぇし?」
ちょっと拗ねながら言う彰…。
そんな風に言われたら、なんか申し訳無くなっちゃうじゃん。
でも、それは私が悪いんじゃないもん。
「彰のせいじゃん…。」
私は小さく呟いた。
それを彰は聞き返してきた。
「えっ?」
「べーつーにっ。」
「別にって、今俺のせいって言ったじゃん。」
―――聞えてんじゃん!!!
「聞えてんなら、ききかえさないでよ!?」
私は彰を見上げて言う。
そしたら彰は、表情を少し曇らせて
「やっぱりそうなんじゃん。」
そう言いった。
――カマかけられた?
違うや、彰は分かってるんだ。
私がイライラしてる事も、理由も。
私から聞いて欲しいのかも。
喋るキッカケを、私が出してあげないと言いにくいんだ。