幸せのカタチ~赤い宝物~
せりな先輩は学校で一番の女子って言われてる。
頭もスタイルも顔も大人っぽくて、家も金持ち。
そのせりな先輩は、どうも私が気に入らない様子。
理由は分かってる。
サッカー部のキャプテンの山口先輩。
一週間前、私は告られた。
それからだよ。
せりな先輩の態度が変ったの。
でも仕方なくね?
私は勝手に告られただけなのに、逆恨みされてもさ。
「愛果ちゃん気にしちゃダメよ。」
「千夏先輩…。」
後から来た千夏先輩が、通りすがり際にそう言ってくれた。
千夏先輩は状況が分ってて、いつもこうやってなだめてくれる。
千夏先輩が居なかったら、もうとっくにマネなんか止めてると思う。
私は千夏先輩に迷惑を掛けない為に必死で、仕事をする。
コーチの横でノート持って、ニコニコしてるせりな先輩を横目にしながら。
"普通持って行きますって言うわよねて"
って、てめぇ持ち物、ノートだけじゃんかっ!!
いつか言ってやる。