幸せのカタチ~赤い宝物~


彰の家までは歩いて15分位。
学校の横を通ると、まだ少し人が残っていた。


校門から道を挟んだ側の歩道を歩く私。


門から、阿部君と伊原君が話しながら出て来た。

相変らず爽やかな2人組。


学校のジャージに濃い色マフラーをして肩にはラケットケース。


阿部君もパーティ行くって事は伊原君も行くのかな?


……って、私には関係ないか。


自分に突っ込みをいれた時、学校の角のわき道に彰の姿を発見した。



「愛果っ~♪」



私を見つけて少し遠くから嬉しそうに呼ぶ彰。


その声で、阿部君と伊原君も私に気がついた。


横断歩道を渡って彰の方に歩いて行くと、門の所で阿部君に冷やかされる。



「相田さんデート?
いいねぇ。」


「…うん。
阿部君もパーティでしょ?
友來が暴走しない様に宜しく!」


「オゥ!
隼人も居るし大丈夫☆
じゃまたな!」



…やっぱり伊原君も行くんだ。


勝手にちょっとガッカリ。

阿部君と伊原君は私に手を振り、歩いて行った。


何か微妙…。

このタイミングで伊原君に会ったの。
あんまり見られたく無かったな。

別に何かを期待してる訳じゃ無いけど…。



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