幸せのカタチ~赤い宝物~
「同級生?」
私の所まで来た彰に聞かれた。
「同じクラスじゃないけど、友來の好きな人と、その友達。」
「へぇ、どっちが好きなヤツ?」
「背高い方…。」
「へぇ~♪」
キラキラオーラを発しながら歩いて行った2人を興味深々に眺めてる彰。
「イケメンだなっ。
俺には及ばないけどなっ☆」
「…はぁ?
彰とあの2人じゃ、フィールドが違うんだけど。」
「はぁ?
意味わかんねぇし?
まぁ絶対俺のが上だ。
色んな意味で。」
「はぃはぃ…。」
呆れながら言う私に彰は何か一生懸命に説明してるけど、そんな話はどうでもいい。
けど、彰には言えないな。
彰と付き合う前の少しの間、伊原君が気になってたなんて。
ムダに張り合いそうだし…。
いいんだ。
今は私は彰が好きなんだから。
そこに迷いはないし。
私もムダに自分に言い聞かせて、彼らのキラキラオーラをイヴの夕暮れの冷たい風に乗せて
頭の中から追い出した。