幸せのカタチ~赤い宝物~
ココでいぃか…
階段を上がって来る彰の足音が近付いてくる…
急いで鞄から包みを取り出し、本棚の本の間にスペース開けプレゼントを置いた。
本棚の本の間に空間を作る為に添えてた左手を、本棚から抜こうとした瞬間…
ヒラリ…
何かが宙を舞い
本棚の前に座る私の前に落ちた。
一枚の写真
表向きに落ちた写真…
――――ナニコレ?
私はそのまま、身体が固って動けない。
彰が部屋に向って来る足音だけ
やたら大きく聞えて
コレを元に戻して、私もフツーにしてないと
そう思っても、身体が動かない。
やがて足音は止まり、部屋のドアが開き彰が入ってきた。
「おまちどう。
愛果特製ケーキでぇーすっ♪
超うまそぅっ♪」
「……。」
ルンルンな彰の声が背中から聞える。
カシャン…
テーブルにトレーを置いた彰の方を向けない私。
「愛果、食おうぜ?
つーか、その本棚サッカーのだけだぞ?
しかも古いのだし。
どし…た…?」
座ってる私を後ろから抱き締めた彰の動きが止った。