幸せのカタチ~赤い宝物~
「オツカレ~また明日!」
「おぅ!」
午後6時半
部活を終えて皆帰っていく。
「後これ干すだけなんで、千夏先輩先帰ってくださぃ。
亮先輩待ってるんじゃないですかっ?」
「あっ…うん。
ゴメンねっありがとうっ。」
私の言葉に少し照れ笑いをした千夏先輩は、申し訳無さそうに部室をでて行った。
可愛いな千夏先輩は。
千夏先輩は去年から、千夏先輩と同じクラスでサッカー部の木上 亮(キノカミ アキラ)先輩と付き合ってる。
見ててほんわかする、ほんわかカップル。
ガラッ
あれ?千夏先輩忘れ物?
しまったはずの部室のドアが開いて、私は振り向く。
みっ溝口先輩…。
「わ…忘れ物ですか?」
驚きながら聞くと溝口先輩は、いつもの笑顔とは違う真剣な表情で私に近付いてくる。
やばい…。
私の直感が働く。
溝口先輩は私の前で立ち止まり、黙って私を見つめてる。
この感じは分る。
きっと告られる。