幸せのカタチ~赤い宝物~
VS涙色の心
暫く歩いた後1人の人とすれ違う。
私は顔を見られない様に、更に深く俯く。
「相田さん?」
その人は最近聞慣れた、低くなりかの声で私を呼び止めた。
思わず顔を上げると、普段見馴れてない私服姿で立ってる男子。
「伊原…君?」
私を見て伊原君は、びっくりした顔してる。
―あ、しまった。
私すんごい泣き顔っ…。
慌てて俯く。
冬の夜の暗さに顔を隠したけど、やっぱりバレバレだったみたい。
「大丈夫か?
彼氏とケンカでもしたか?
…って、俺はカンケーないけど。
口出す事でもないけど、でも…もう暗いのに何1人で歩いてんだよ…。」
「何でもないのっ。
伊原君これから行くのっ?」
「…そうだけど。
相田は、帰るのか?」
私を見て困ったような表情でいる伊原君…。
私の心境を気遣ってくれてるのが分る。
「ふふっ大丈夫だよっ☆
アリガト!
じゃあねっ!」
戸惑った伊原君の表情がおかしくて、思わず笑顔になる。
伊原君にバイバイして、歩こうとした時
伊原君が私の腕を、グッっと掴んだ。