幸せのカタチ~赤い宝物~
《急患が入って少し遅くなりそう。
落ち着いたらまた電話するね。
愛果も帰ったらメール頂戴ね。》
おかーさんからのメールを読んで
《帰ったよ。
おかーさんも帰り気をつけてね。》
ってメールを送る。
おかーさんは近くの病院で看護士をしてる。
3年前から女手一つで私を育ててくれてる。
お父さんは…医者だった。
昔おかーさんとお父さんは隣り町の総合病院で働いててそこで知り合って結婚して
私が生まれておかーさんは、一旦仕事を止めた。
私が小学生になってから学校の時間帯に徐々に今の病院で仕事に戻り出して、私が中学生になった今年から完全復帰した。
いつからかお父さんはおかーさんのいなくなった病院の中で、愛人をつくってたみたい。
おかーさんも知ってる、事務の人と付き合ってた。
ずっとお父さんはおかーさんを騙してたんだ。
おかーさんが知る、あの日まで。
あの日その女の人が家に来たんだ。