幸せのカタチ~赤い宝物~
『そっかぁ…。
で、昨日から今まで先輩からなんも連絡来ないワケ?』
「来ない…。」
『愛果から…
する訳ないしね。』
友來と昨日のイヴの報告会中…
ふぅっと、電話の向こうでため息を付く友來。
私から連絡なんてする訳ないよ。
彰が悪いのに
追いかけてもこない癖に
何が"愛果が好き"だよ…
『確かに写真とかありえないけどさぁ、どうすんの?』
「へ?何が?」
『はぁ~?
何がじゃなくて、先輩と!
この後どうするつもりなの?って聞いてんの~。』
友來はとぼけた私に、呆れた声を出す。
分かってるよ
友來の言いたい事は
でも…
私から連絡するのもおかしいし?
つーか、ありえない。
「好きって思ってるなら、彰が謝りに来るべきでしょ?
ホントに好きならね。」
私がそう言い切ると、また電話の向こうから特大のため息が聞こえてきた。
『じゃあもしこれで、このまま離れても愛果は構わないってコトだよ?
愛果は好きじゃないの?
ダメだよ、たまには素直にならないと。』
ゔっ…それは…
友來の言葉に心がドキッっとイヤな音をたてる。