幸せのカタチ~赤い宝物~
「止めてよっ!
触らないでっ!!
彰、嘘ばっかりっ!!」
「愛果っ…!」
「放してっ!」
私が暴れているのを制止しようとする彰の腕を、思いっ切り振り払う。
私から離れた彰の手
彰を見ると、哀しそうな顔で私を見てる。
何でそんな目で見るの?
哀しくて泣きたいのは私なのに
何で彰がそんな顔…
ズルイよ
彰も杉原も
みんなズルイ
サイテーだよ
「愛果…俺っ…」
「聞きたくないっ!
…バイバイ。」
何か言いかけた彰の言葉を遮って、別れの言葉を告げた。
彰はもう、何も言おうとしなかった。
立ち尽す彰をその場に残して、私は家に帰った。
彰と別れたと言う事と
信じた私がバカだったって事を
深く心に刻みながら。