幸せのカタチ~赤い宝物~
そんな私の小さな小さな変化に気がついたのは、一ヶ月位前。
みんなで阿部君の家に居た時、学校の人の話をしてた。
『青野さんって青野真瑠?』
『でもちょっと地味系だよね…?』
色んな人の話をしてる中、伊原君がどんな子なのって聞いてきた。
伊原君の口から、同じクラスの目立たない子の名前がでて驚く。
一瞬チクッと胸に違和感を感じて、とっさに地味って答えた。
実際は色白でちょっと小柄で、綺麗なストレートの髪と黒目がちな瞳が印象的な大人しい子。
『何?隼人、あぁゆう感じがタイプだったの?』
阿部君のからかう様に言ったその言葉に、伊原君は少し照れ笑いした。
『実は…去年から気になってて…さ…?』
そう言う伊原君の声と表情は、凄く好きって言ってる様に見えて
さっき心に小さく刺さった刺は、ぶっとい釘に変って何回も打たれた様に
衝撃がはしった。
おかしいよね…
こんな気持ちになるなんて
私、彰が大っ嫌いだけど
やっぱりまだ好きで
彰がまた好きって言ってくれるんじゃないかって
待ってみてたハズだったのに…
へんなの…。