【連作】六天ニ散リユク花―交わりの章―
いくらも行かぬうちに、吉法師は、手綱を引き絞って、馬を止めた。

その目が、鋭く天を仰ぐ。

山の頂に構えられた城が、はるかに見えていた。

「あれが……和積の城か」
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