【連作】六天ニ散リユク花―交わりの章―
三、
「……待て……」

馬を進めようとする少年達の背後から、突如、気配が生まれる。

何もなかったはずの場所に、陽炎のように立ち上る殺気。

「何奴!」

脇差しを抜き、馬上で身構える両脇の少年。
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