【連作】六天ニ散リユク花―交わりの章―
吉法師の発した言葉で、ようやく、両脇の二人は、正面に向けていた体を、こちらへと捻る。
格の違いは、明らかであった。
「若千代、姫丸。刀をおさめよ」
吉法師は、右手、左手それぞれに向けて、命じる。
格の違いは、明らかであった。
「若千代、姫丸。刀をおさめよ」
吉法師は、右手、左手それぞれに向けて、命じる。