【連作】六天ニ散リユク花―交わりの章―
「……よいのか……?」

背後で、少年が、僅かに刀を退く気配がした。

それでも、彼は、一呼吸の間に、吉法師の体を貫きおおせるだろう。

「よい」

吉法師は、一言で答える。
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