【連作】六天ニ散リユク花―交わりの章―
春桜衣。

衣の中で、桜の花びらが、文字通り、舞っている。

上から下へと、はらはら、はらはら。

この衣もまた、六天花とともに生活に入り込んできた幾多の宝貝のひとつだ。

春眠暁を覚えず、の言葉通り、人を眠りに誘う。

まどろむ霞丸にこれを着せかけたのは、玉林だろうということは、容易に推測できた。
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