【連作】六天ニ散リユク花―交わりの章―
全く、この少年は、何かと言えば霞丸が病みつくと思っているらしい。

もっと幼いころは、確かに、人より病がちではあったのだが。

今は、もう、そんなことはないというのに。

溜息をつき、霞丸は、用件を切り出す。

「松雪。そなた、玉林を知らぬか?」

< 34 / 37 >

この作品をシェア

pagetop