恋口の切りかた
「どこにでも行ってくれ!」
俺は刀丸の顔を見た。
刀丸はぴたりと泣くのをやめて、どこを見ているのかわからない虚(うつ)ろな目をしていた。
「おれのトウ丸はあんな恐ろしい子じゃねえ! あんなのは──」
なんだよ、うそだろ……!
この声は女の声だ。
つまり、
信じたくはなかったが──これは刀丸の……
……母親の言葉だったのだ。
「おまえは──鬼の子だ」
俺は刀丸の顔を見た。
刀丸はぴたりと泣くのをやめて、どこを見ているのかわからない虚(うつ)ろな目をしていた。
「おれのトウ丸はあんな恐ろしい子じゃねえ! あんなのは──」
なんだよ、うそだろ……!
この声は女の声だ。
つまり、
信じたくはなかったが──これは刀丸の……
……母親の言葉だったのだ。
「おまえは──鬼の子だ」