恋口の切りかた
「なんだよ?」

円士郎が尋ねて、

「いやあ、あれってよ──」





そして隼人は驚愕の内容を口にした。





「嘘だろ!?」

「全然気がつかなかった!」


円士郎と私は吃驚仰天して、

私も隼人の言うとおり、何の意味があるのかわからなかったのだけれど、


「そうか、あいつ──!」


円士郎は何かに気がついた様子を見せた。


「だとすると……どうなってんだ?」

円士郎は何やらブツブツと呟いて、

私には何のことかサッパリで、


「あとはあの盲目の三味線弾き──白蚕糸のことがもう少しわかればなァ……」


ただ、その円士郎の呟きが耳に残って──



円士郎のために役に立ちたい一心の私は、この先、大失敗をやらかすことになる……。
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