恋口の切りかた
トウマル?

ごちん、と俺は二人の頭を木刀でなぐった。

「ぎゃっ」
「また叩いたーっ」

「うるせえ! 何だよ、こいつお前らの知り合いか? 武士の子……には見えねーけど」

ちなみにさっきから俺がイジメているこの二人は、俺と同じでここらの武士の子供だ。

どうでも良いけど。


「トウ丸は農民の子だよ」

「へっへー、でもケンカ強いんだぞ」

「トウ丸、漣太郎なんかやっつけちゃえ!」


ごちん、ともう一度俺に頭をなぐられて、二人組が再び盛大にギャンギャン泣き始める。

興味の失せた二匹は放っておいて、

俺は新たなエモノ──トウ丸とかいう農民の子供に向き直った。
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