恋口の切りかた
ぞわぞわと、無数の虫のように背中を不快感が這い回る。



降りしきる雪の冷たさに、私は肩をかき抱いた。



ひとつ、ふたつ、みっつ


むっつのしたい。


とうぞくたちのしたい。


わたしが、ころした──


だから、


わたしは


「やだ……やだよ……お父、お母、捨てないでよ……」


「おつるぎ様──!?」


金髪の青年が、慌てた様子で立ち上がった。


わからなくなる。

誰だろ……?

誰だっけ、この人──


レンちゃん、
レンちゃん……どこ?


寒い。


がくがく震えながら、
私はぎゅうっと、肩を抱いたまま着物を握りしめた。


助けてよ……
< 1,415 / 2,446 >

この作品をシェア

pagetop