恋口の切りかた
「……なんでオレが怒るんだ?」


俺は面食らって、思わず刀丸のほうを見て──



俺を見つめる大きな瞳と

視線がぶつかった。


う……!?



「だって、ずっとおれがかくしてたから……」


俺はなんだかどぎまぎした。

男だと思っていた時には全く意識したことがなかったが、

こうして近くで見ると、こいつって……


「女だってわかったら、レンちゃんに嫌われるんじゃないかって思って──」


……結構──どころか、かなり──


「──怖くて、どうしても言えなかったの。ごめんなさい」




──かわいい。



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