恋口の切りかた
「おれのこと嫌いになった?」

「な──……なに言ってんだばか!
オレがそんなことでおまえを嫌いになるワケねえだろ……!」


なぜかあせりながら、俺は早口で言った。


「ほんと?」

「あ……ああ。安心しろ」


良かったぁ~、と無垢(むく)に微笑む刀丸をながめながら、

俺はふと、これまでの様々なできごとを思い出し──



──ってちょっと待て!!




「あれ? どうしたのレンちゃん、顔が赤いよ?」

「いやいやいやいや……何でもねえよ」




やべェ。



考えてみればこれまで俺は

まさか刀丸が女だとは夢にも思わず──!





川遊びの時、着物脱げとか

さっきは道場で抱きついたりとか





オイオイオイオイ──

かなり凄ェことしちゃってるんだがァっ!?
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