恋口の切りかた
「『ルキ』だ。留玖──刀丸よりは女らしい名だろう」
「ル……キ……?」
と、刀丸が声に出す。
親父殿はうなずいて、
「うむ。漣太郎の発想に習って、『つるぎ』から『ルキ』としてみた。
刀は道具だが、つるぎは単なる道具ではなく『剣』──すなわち剣の道、剣術に通ずる者の意味を込めておる」
留玖──か。
確かに、
俺の隣に座る愛らしい少女には、
刀丸よりもふさわしい名前だ。
母上は、「あなた! 女の子にそんなものに通じる名前をつけるなどありますか!」などと目くじらを立てていたが。
「そんなわけだ! 漣太郎、平司、雪丸!」
と、親父殿は俺たち三人を見た。
「ル……キ……?」
と、刀丸が声に出す。
親父殿はうなずいて、
「うむ。漣太郎の発想に習って、『つるぎ』から『ルキ』としてみた。
刀は道具だが、つるぎは単なる道具ではなく『剣』──すなわち剣の道、剣術に通ずる者の意味を込めておる」
留玖──か。
確かに、
俺の隣に座る愛らしい少女には、
刀丸よりもふさわしい名前だ。
母上は、「あなた! 女の子にそんなものに通じる名前をつけるなどありますか!」などと目くじらを立てていたが。
「そんなわけだ! 漣太郎、平司、雪丸!」
と、親父殿は俺たち三人を見た。