恋口の切りかた
「動いちゃ駄目! 寝てないと駄目だよ……!」
何だ……?
なんで俺、こんなことになってるんだ?
くそ、体に力が入らねえ……
夢の中なのか現実なのか、
俺は布団に寝かされているようで、
留玖は俺を静かに横たえてから、袖で涙を拭いて笑顔を見せた。
無理矢理に笑っているような、悲痛な色の滲んだ微笑みだった。
……違う。
俺はお前のこんな笑顔が見たいんじゃない。
「待ってて、エン。今、母上や冬馬を呼んで来るからね」
留玖は涙の跡が残るほっぺたで俺に微笑みかけて、立ち上がろうとして、
「……行くな……!」
俺は慌ててその袖を捕まえた。
「で……でも、エン、みんな心配してる……」
留玖は、立ち去ろうとした方向と俺とをおろおろと見比べて、
俺はたまらなく愛おしくなる。
「……ここにいろよ。お前と二人でいたい……」
彼女を見上げたまま、俺がそう告げると、
立ち上がりかけていた留玖の目から見る見る涙が溢れた。
「いる……! 私、ずっとここにいるよ……」
再び座り込んで、留玖は泣きながらそう言った。
何だ……?
なんで俺、こんなことになってるんだ?
くそ、体に力が入らねえ……
夢の中なのか現実なのか、
俺は布団に寝かされているようで、
留玖は俺を静かに横たえてから、袖で涙を拭いて笑顔を見せた。
無理矢理に笑っているような、悲痛な色の滲んだ微笑みだった。
……違う。
俺はお前のこんな笑顔が見たいんじゃない。
「待ってて、エン。今、母上や冬馬を呼んで来るからね」
留玖は涙の跡が残るほっぺたで俺に微笑みかけて、立ち上がろうとして、
「……行くな……!」
俺は慌ててその袖を捕まえた。
「で……でも、エン、みんな心配してる……」
留玖は、立ち去ろうとした方向と俺とをおろおろと見比べて、
俺はたまらなく愛おしくなる。
「……ここにいろよ。お前と二人でいたい……」
彼女を見上げたまま、俺がそう告げると、
立ち上がりかけていた留玖の目から見る見る涙が溢れた。
「いる……! 私、ずっとここにいるよ……」
再び座り込んで、留玖は泣きながらそう言った。