恋口の切りかた
それから、風佳は用を思い出したと言って帰っていった。


帰っていったと──私は思っていた。


まさかその後、風佳が円士郎を誘って、二人きりで町へ出かけていたことなど全く知らなかった。




意識のない円士郎が屋敷に担ぎ込まれて、大騒ぎになるまでは。
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