恋口の切りかた
「はァ!?」
とスマキにされた漣太郎が眉根を寄せ、

「うへっ!?」
と子分さんたちが驚いた顔になり、


平司はいつものとおり無反応で──


──私は、



「私は漣太郎じゃありません」

と、言おうとしたのだけれど




漣太郎様のところにお嫁に行く……?

その言葉が頭の中をぐるぐる回って、



どうしてか、一言も発することができなかった。



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