恋口の切りかた
長い白壁の塀の横を歩いて、長屋門の前に到着すると
子分さんたちは「よっこらせ」と漣太郎を地面に下ろして帰っていった。
さすがの結城晴蔵も
スマキの漣太郎と、私にしがみついた風佳を見て目を丸くした。
父上はただちに漣太郎にげんこつを食らわせ、
スマキをほどいて身支度を整えてこさせて、
ようやく客間に顔ぶれがそろったところで、
「さて、いったいどういうわけだ?」
とたずねた。
「兄上が町中で風佳様を怯えさせていたところを、姉上が助けて──
──風佳様は無礼者の兄上ではなく、さっそうと現れた姉上を漣太郎様だと」
「なるほど!」
平司が的確かつ端的な説明をし、父上が膝を叩いて大笑いした。
子分さんたちは「よっこらせ」と漣太郎を地面に下ろして帰っていった。
さすがの結城晴蔵も
スマキの漣太郎と、私にしがみついた風佳を見て目を丸くした。
父上はただちに漣太郎にげんこつを食らわせ、
スマキをほどいて身支度を整えてこさせて、
ようやく客間に顔ぶれがそろったところで、
「さて、いったいどういうわけだ?」
とたずねた。
「兄上が町中で風佳様を怯えさせていたところを、姉上が助けて──
──風佳様は無礼者の兄上ではなく、さっそうと現れた姉上を漣太郎様だと」
「なるほど!」
平司が的確かつ端的な説明をし、父上が膝を叩いて大笑いした。