恋口の切りかた
「こ、これは──私としたことが!」


いつも沈着冷静なのに、珍しく顔を赤くしてうろたえて、

「し、失礼しました──!」

いきなり風佳の足もとに平伏した。


ええ──?

落ちこんでいた私もこれにはびっくりした。


「まあ、どうして平司様が謝るのですか?」

風佳は優雅に微笑んで、平司の手を取って立ち上がらせた。

「い、いや……その──」

平司は耳まで赤くなってあたふたしている。



……へんなの。
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