恋口の切りかた
──はァ!?

なんでそこで大河余左衛門の娘が出てくるんだ!?


「レンちゃんだって、あの子はきれいだったって思うでしょ?」


俺には留玖の思考回路がサッパリわからなかったが、

昼間のあの、
世間知らずでいかにも箱入りといった様子の
娘を思い浮かべた。


第一印象は互いに最悪だったと思うが。


「気合い入れて着飾ってたし、そりゃまあ、キレイだったんじゃね?」

あの娘も見た目は悪くはなかったと思う。

悪くない、どころか間違いなくかわいい部類に入るだろう。



昼間の娘は留玖とはまた違って、
陽に透けるようなやわらかそうな髪の毛で、
全体的にふわふわなよなよした感じで。

そう、いかにも女の子という感じ。

花や蝶で喜んでいそうな、
俺が思い描く想像どおりの「女」という生き物に見えた。


一方の留玖は、


俺と木刀振り回して遊んでいたころには全然わからなかったが、

髪を整えるとまっすぐなサラサラの黒髪で、
人形みたいなかわいらしい見た目ながらも、
どこか少年のような、凛(りん)とした印象がある。
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