恋口の切りかた
それから、

城に呼ばれた円士郎にどのような裁きが下ったのか知らされないまま、

二日が過ぎて、



翌々日、

城を訪れた父上から、


円士郎には謀反の罪で切腹を申し渡した、


そして、


謀反に荷担した罪で秋山隼人は切腹して果て、秋山家は断絶、

それを聞いた円士郎は屋敷から姿を消した──


と、聞かされた。



部屋には父上宛の書状が残されており、


監禁すると言いながら見張りを立てず、
刀を持ったまま逃亡させてくれたことへの感謝と、

結城家は冬馬に継がせ、風佳と結ばせてやってほしいという願いと、

武士として己の名誉を取り戻してから、
切腹して隼人の後を追うという内容が書いてあったのだそうだ。


そして手紙の最後に、

私には「すまない」とだけ伝えて欲しいとあったと──。
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